日本を怖れたスターリン 第2次世界大戦の終了後、日本はなぜ事実上ほぼアメリカ1国の占領下に置かれたのだろうか。なぜドイツのように、アメリカとソ連をはじめとする連合国の分割占領とならなかったのだろうか。 いまだ返還されない北方領土や、南北に分断された朝鮮半島を思えば、日本の占領からソ連の影響力を排除できたことは、われわれ日本人にとって僥倖であったのは間違いない。 あまり知られていないことだが、日本がアメリカによる「単独占領」に置かれた背景には、日本の「身代わり」として、ブルガリアとルーマニアの東欧2カ国がソ連に差し出されたという歴史的事実がある。 国際政治学者の細谷雄一・慶應義塾大学教授は、近著『戦後史の解放II 自主独立とは何か』において、アメリカとソ連の取引によって、日本と東欧2カ国が「交換」されたことを明らかにしている(以下、引用は同書より) *** 終戦後、ソ連の指導者スターリンは、
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