『インパール作戦後の牟田口廉也について』本文 あとがき インパール作戦については高木俊朗の「インパール」5部作を始め多くの書籍が出ている。しかし中心人物の一人である牟田口廉也についての伝記、評伝は児嶋襄の『指揮官』や雑誌に書かれたインパール作戦等を中心とした小伝があるのみで、生涯を通して書かれたものは昨年出版された広中一成の『牟田口廉也 「愚将」はいかにして生み出されたか』までなかった。ちなみにインパール作戦で激しく対立した佐藤幸徳の評伝は『抗命の軍将 嗚呼、インパール・佐藤中将の悲劇』が平成7年に出ている。 牟田口の評伝がようやく出たか!という気持ちと戦後に関しては他の書籍同様あっさり書かれており、インパールの敗戦後どう過ごしていたのだろうという疑問が残った。2017年に放送されたNHKスペシャルを書籍化した『戦慄の記録 インパール』(岩波書店)には取材中、放送後の牟田口遺族とのやり取り