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ブックマーク / www.iwanamishinsho80.com (5)

  • 大木毅書評:芝健介著『ヒトラー 虚像の独裁者』

    ──書評:芝健介著『ヒトラー──虚像の独裁者』岩波新書 大木 毅 若いころ、聖書についで、史上ナンバー・ツゥの部数を誇っているのはナポレオンの伝記だと聞いたことがある。もとより真偽をたしかめるすべもないが、東西のさまざまな国々で出版されたナポレオン伝の数を思い浮かべれば、なるほど説得力のある話ではあった。しかし、21世紀も四分の一近くが過ぎ去った今となっては、別の歴史的個性が、あるいはナポレオンへの関心を抜いたかとも思われる。それがヒトラーであることはいうまでもない。 このナチス・ドイツの独裁者については、ジャーナリスティックな読み物から学術研究に至るまで、ただごとでない量の文献が刊行されてきた。主たるものだけでも、コンラート・ハイデン、ヒュー・トレヴァ=ローパー、アラン・ブロック、ヨアヒム・フェスト、ジョン・トーランド、イアン・カーショーら、戦後それぞれの時代の花形ジャーナリストや代表的

    大木毅書評:芝健介著『ヒトラー 虚像の独裁者』
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2021/09/30
    “ヒトラーは良いこともした、当時のドイツ人に社会的上昇や生活水準向上の可能性を与えたではないか、アウトバーンは彼の遺産だ、などとする言説は、現代の日本でもはびこっている。”
  • スターリングラード後のパウルス(新書余滴)大木毅

    拙著『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』が刊行されて3か月ほどになる。幸い、好評を得ているようではあるが、新書という性格上、ごく簡略に記した事項について、より詳しく知りたいというご要望が少なからず寄せられている。とくに、スターリングラードでドイツ第6軍を指揮したフリードリヒ・パウルス元帥が、ドイツ軍捕虜を組織して「ドイツ解放軍」を編成したいとスターリンに申し出たことは、予想以上に知られていなかったらしい。そんなことが当にあったのかとの疑問を呈されたこともあった。 東欧社会主義圏とソ連の崩壊以降、機密扱いとされていた、さまざまな文書が公開されたこともあって、パウルスの生涯については飛躍的に研究が進んだ。なかでも、旧東ドイツ出身の歴史家ディードリヒによる大部の伝記は、2009年の刊行以来、スタンダードの地位を占めている。残念ながら、そうした成果はなお日には伝わっていないようだ。 もっとも、筆者は、単

    スターリングラード後のパウルス(新書余滴)大木毅
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2019/12/10
    スターリングラード後のパウルスby大木毅/転向したのは1944年8月になってなのね。本人がいうにはトルコがドイツと断交し、バルカンから連合軍がくる可能性が高まったからと
  • フーコーの日本(新書余滴)

    このたび岩波新書の一冊として上梓した『ミシェル・フーコー 自己から脱け出すための哲学』は、20世紀フランスの哲学者ミシェル・フーコーの著作をこれから読み始めようとしている人々に向けられた入門のための書である。 実を言えば、フーコーの入門書は、すでに数多く存在している。そのなかで拙著がいかなる意義を持ちうるのかについては読者のご判断に委ねるしかないが、そもそもそこに今新たに一冊を加えることが可能になったのは、何より、日におけるフーコーへの関心の高さゆえのことであろう。 実際、いわゆるフランス現代思想を代表する人物として、フーコーの主な著作や講義録のほとんどがすでに日語に翻訳されているし、フーコーに関する研究、さらにはフーコーを使用した探究が、文学、哲学、社会学などといったさまざまな領域において展開されている。そして日におけるそうしたフーコーへの注目度は、2018年の『性の歴史』第4巻『

    フーコーの日本(新書余滴)
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2019/10/29
    「フーコーの日本」by慎改康之/日本に赴任する可能性があった/ラブホ
  • 日本と独ソ戦(新書余滴)/大木毅

    先般、岩波新書で『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』を上梓した。幸い、ドイツやソ連の現代史を専攻する研究者、歴史には一家言ある読書家の諸氏にも高評価をいただき、ほっと胸を撫でおろしているところだ。もっとも、独ソ戦のような巨大なテーマを、それも紙幅の限られた新書で扱ったのであるから、書き切れなかったトピックが多数あったことは否めない。だが、さまざまな事象をすべて詰め込むことが不可能であるのは自明の理だ。 通史や概説の執筆にあたって必要不可欠なのは、何を書くかではなく、何を書かないかを判断するための物差し、言い換えれば、当該のテーマをいかに分析するかの枠組みであることはいうまでもない。それなしに、年表を文章にするがごとく、ひたすら時系列に沿って事実を並べてみたところで、読者は退屈するばかりであろう。──いや、何よりも、著者自身が、そんな単純作業に耐えられない。 よって、拙著では、独ソ戦は通常戦争、収奪戦

    日本と独ソ戦(新書余滴)/大木毅
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2019/08/13
    大木毅/満州攻め…「作戦術によって日本軍を翻弄し、敵陣奥深くまでも同時に制圧し、突進する「縦深戦」によって、驚異的な進撃をみせた」/ドイツの生物戦と731部隊
  • B面の岩波新書|Web岩波新書|岩波書店 新書で歴史を読む 第1回 清水克行さん(明治大学教授) ◆庶民生活こそ面白い!──新書で知る中世・近世の民衆たち◆

    これまで漠然と、高校1年生で読んだ三國一朗さんの『戦中用語集』(岩波新書、1985)だと思い込んでいました。ところが昨夜突然、もっと古い記憶がよみがえりました。中学2年生の時、それも『切腹の話──日人はなぜハラを切るか』(千葉徳爾著、講談社現代新書、1972)(笑)。学校で読書感想文の課題が出た時に図書館で見つけ、怖いもの見たさで読んだのです。 しかし、このの読後感がすごく嫌な印象だった。単に気持ち悪いだけではなく、切腹を「狩猟民族の供犠」になぞらえるなどの理屈も納得がいかなかった。長じて『耳鼻削ぎの日史』(洋泉社歴史新書y、2015)というを出した者としては、この頃からグロテスクなテーマに関心があると同時に、ただオカルト的な説明に落とすのは納得できないというところもあって、我ながらぶれていない(笑)。そう考えると「はじめての新書」って大事ですね。

    B面の岩波新書|Web岩波新書|岩波書店 新書で歴史を読む 第1回 清水克行さん(明治大学教授) ◆庶民生活こそ面白い!──新書で知る中世・近世の民衆たち◆
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2018/04/01
    勝俣『一揆』、 笠松『徳政令』、藤木久志『刀狩り』など5冊を推薦。「実は藤木さんも『一揆』『徳政令』とほぼ同じ時期に、『刀狩り』を依頼されていたらしいんです。ところが出るまでに20年かかった(笑)」w
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