2017年の世界文化遺産の登録を目指す候補として、国内から「『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)を推薦することを28日、文化審議会が決めた。政府は9月末までに暫定版の推薦書をユネスコ(国連教育科学文化機関)に提出し、閣議了解を経て、来年2月1日までに正式な推薦書を出す。 宗像・沖ノ島と関連遺産群は、沖ノ島(宗像大社沖津宮)、沖津宮遥拝(ようはい)所、宗像大社中津宮、同辺津宮、新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群の五つの資産で構成する。女人禁制などの禁忌が今も残る沖ノ島では4~9世紀、朝鮮半島や中国大陸との交流の成就や航海の安全を願い、大規模な祭祀(さいし)が行われた。祭祀跡からは銅鏡や金製指輪、中国唐時代の陶片など8万点にのぼる国宝も出土し、「海の正倉院」と呼ばれる。 文化審議会世界文化遺産・無形文化遺産部会長の西村幸夫・東京大教授によると、古代祭祀跡がほぼ手つか