ブルネイのボルキア国王は30日、シャリア(イスラム法)に基づく厳しい刑罰を盛り込んだ新しい刑法を5月1日から段階的に施行すると発表した。今後は「姦通罪」に問われた人が死亡するまで石を投げ付ける石打ちや、窃盗罪に対する手の切断といった刑罰も導入する予定だ。 ボルキア国王は近年、政策の宗教色を強めており、新しい刑法もその延長線上にあるとみられる。 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は「幅広い犯罪に死刑を適用するものだ」と懸念。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは「姦通や同性愛は犯罪と見なすべきではない」と批判している。 1日に施行されるのは3段階のうちの「第1段階」。イスラム教徒の「金曜礼拝への不参加」「ラマダン(断食月)中の断食破り」のほか「夫婦や家族以外の男女が閉鎖された場所で過ごすこと」などに対し、罰金刑や禁錮刑が科される。(共同)