海洋エネルギーシリーズの3回目である。前回の波力に続いて、今回は世界の潮力発電に関する事例を紹介する。波力よりも技術開発は進んでおり、コストも低く、実用化では一歩先んじている。 予測可能な安定電源 地球は、月や太陽の引力を受け、海水が満ちたり引いたりする。また、地球は回転しているため、満ち潮・引き潮が1日2回ずつおこり、潮の流れは約6時間ごとに計4回、交互に変わる。さらに1カ月に2回、月と太陽の引力が重なる満月と新月には「大潮」が発生する。大潮では、満ち潮と引き潮の水位の差が大きくなり、海水の流れも速くなる。こうした海水の流れを利用するのが潮流発電(tidal-power)である。 潮流発電の利点は、発電量が予測できることである。また、水面下で稼働するので、景観への影響はなく騒音の影響も小さい。潮流が生じる場所は、岬のような突端や海峡のような制約のある海域であり、波力や温度差発電に比べてポ