子供の頃は、自分の中に「かっちょいいヒーロー像」というものがあった。 それは思春期の頃もそうだし、大人になってからも「こうゆう大人がかっちょいいのだ」という ざっくりとしたイメージみたいなものがあって、なんとかそれに近づこうとしては失敗したり、 もっと近いところまで先にたどり着けている同年代の男を見ては嫉妬していた。 というか、世間ではオッサンと呼ばれる歳になった今でも、そういう気持ちが抜けきらない。 しかし、である。 最近、僕はもうそういう「かっちょいい大人の男」になるのをあきらめようと思うのである。 自分はそういう世間からかっこいいとされるようなヒーロー像とは 残念ながら、かけはなれた人間であると、そろそろ自分で認めねばなるまい。 すでに去年の秋に「出世」というものをあきらめた僕である。 さすがに「男らしく」とか「かっちょよく」とかいうオスとしてのプライドくらいは 守っておいたほうがよ