2020年4月7日に発出された第1回目の緊急事態宣言。5月の末には宣言が解除されたが、コロナ禍下で生まれた「新しい生活様式」にもとづく所作とそれを支える思考は、意識的にも、無意識的にもわたしたちを支配している。 精神科医・批評家の斎藤環氏は、SNSやウェブメディアを通して、COVID-19のパンデミックがもたらすこころと社会の問題について発信を続けてきた。noteに投稿された「コロナ・ピューリタニズムの懸念」をはじめとする一連の記事で斎藤氏は、コロナ禍を通じて変容していくわたしたちの倫理観、行動規範、記憶のあり方に警鐘を鳴らした。 これを受けて、2020年6月1日、ゲンロンカフェで斎藤氏のお話をうかがった。聞き手は吉川浩満氏。コロナによって失われるかもしれない「ひとと会う」ことの臨場性・暴力・欲望。その変化は、わたしたちの命や社会に新しい多様性を生み出すかもしれない。 本日のゲンロンαでは