法律にかかわる領域は専門的で、デジタル化が難しいとされていたが、言語処理AIの進化により状況は変わりつつある。弁護士の知見とAIの機械学習を組み合わせたソリューションも提供され、成果を上げているからだ。契約書レビュー支援AIクラウドを提供するリセの藤田美樹氏が、リーガルテクノロジーの考え方と可能性について語った。 「多くの場合、企業間のトラブルの起点は契約書にあります。問題が起こってから契約内容を確認するのでは遅く、対応が後手にまわってしまいます」と語るリセの藤田美樹氏は、秘密保持契約における具体的なトラブル事例を2つ挙げる。 1つ目の事例は、「A社から業務を受託していたB社が、A社の競合であるC社に、A社の新商品の情報を漏らしてしまい、A社からクレームが来た」というもの。口頭で聞いていた話を、B社の担当がうっかりC社に話してしまったもので、大事には至らなかったもののA社から指摘を受けた。