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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (2)

  • 日本人は変態である『超絶技巧美術館』

    目が驚く脳が騒ぐ「美」。 流行りや消費者ウケとは一切関係せず、ひたすら自分の作りたい作品、表現したいものを追い求め、突き詰めて、カタチにしている人がいる。 そんなとこまで見ないだろ、とか、そこまで細かくしないでも……とツッコミたくなるが、彼彼女らは、作りたい・描きたい・彫りたいからそうしてるだけで、自分が満足するために究極の技を研磨する。巧みさとか才能とかいったテクニカルなものではなく、一種の鬼気というか、ねちっこさを感じる。 現代の生人形師・アイアン澤田がスゴい。神々しいまでの女体を、魂込みで眺めることができる。いわゆるフィギュアとは一線を画するもので、まず骨格作りから始め、その上に肉を被せ、表面に磨きをかけて、衣装を着せる。眼球も、仏像と同じように内側から嵌め込んでいるし、歯なんて少ししか見えないのに、全部そろえて植えてある。異様な質感に恐ろしくなる。女の美しさを、生身ではないカタチを

    日本人は変態である『超絶技巧美術館』
  • 40超えたら突き刺さる『タタール人の砂漠』

    ある種の読書がシミュレーションなら、これは人生の、それも自分の人生の「手遅れ感」の予行演習になる。若い人こそ読んで欲しいが、分からないかも。歳経るごとにダメージ増、over 40 からスゴ。 この感覚は、カフカの『掟の門』。かけがえのない人生が過ぎ去って、貴重な時が自分の手からこぼれ去った、あの「取り返しのつかない」感覚に呑み込まれる。 大事なことは、これから始まる。だからずっと待っていた。ここに来たのは間違いだから、気になれば、出て行ける。けれど少し様子を見ていた。習慣のもたらす麻痺が、責任感の強さという虚栄が、自分を飼いならし、日常に囚われ、もう離れることができない―――気づいたらもう、人生の終わり。 カフカの再来と称されたブッツァーティは、『神を見た犬』でも示すとおり、寓意性の高い幻想譚を描く。物語の面白さにうっかり釣り込まれると、極めて当たり前の、普遍とも言えるメッセージを突付

    40超えたら突き刺さる『タタール人の砂漠』
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