"「食品安全のための科学」に関する会長談話 つい先ごろ、参議院本会議において、内閣府食品安全委員会の下に設置されたプリオン専門調査会の座長であった科学者を、食品安全委員会委員に推す人事が否決されました1。科学者が直接責任を問われるのは、故意に不正行為(ねつ造、改ざん、盗用など)を行った場合と科学的判断を誤った場合などですが、問題にされた事例はそのいずれにも当てはまりません。 この出来事の根底には「安全のための科学」に対する重大な誤解があると考えられますので、国民の皆様に正しいご理解をいただきたいと考え、談話を発表することにしました。 食品の安全を守るためには、科学的観点のみから行う「リスク評価」の実施が重要です。これは、例えば食品中に含まれる有害な微生物や化学物質などを摂取した場合、どのくらいの確率でどの程度健康への悪影響が起こるのかを科学的に評価するもので、これを上記の内閣府食品安全委員