レスリーの喩え話から入ろう。大きな箱の中に、あなたの名前を書いたくじが一枚だけ入れられたとしよう。全部で何枚のくじが入っているかはわからない。さてあなたはくじを一枚ずつ引いてゆく。すると、三回目にあなたの名を書いたくじが出た。さて、箱の中には何枚くらいのくじが入れられていたのだろうか? 何十万枚というくじが入っていたんだろう、と思う人はいないはずだ。なぜなら、「あなたの」くじが、何十万のうち三番目などという、異様に早い順番に引かれるというのは、確率的にありそうにないことだからである。せいぜい十枚程度のくじがあったのだろう、というのが健全な判断だ。 http://members.jcom.home.ne.jp/miurat/shumatsu.htm 公式には、初めて言い出したのはブラックホールなどを研究していた宇宙物理学者のBrandon Carterで、1983年のことだった。一般には同じ