100年に一度と言われる想定外の事象が数年ごとに発生することに疑問を覚える投資家も少なくないだろう。2017年までゼネラル・エレクトリックのCEOを務めたジェフ・イメルトは、2001年までブラック・スワンに遭遇したことがなかったと述べている16。しかし、2001年のアメリカ同時多発テロを皮切りに、2005年のハリケーン・カトリーナ、2007年からの世界金融危機、2010年のメキシコ湾原油流出事故、2011年の東日本大震災、そして今回の新型コロナウイルス拡大と、その後はいくつものブラック・スワンが起きたとしている。歴史を振り返れば、2001年以前にも、第二次世界大戦や世界大恐慌などのブラック・スワンはあった。しかし、イメルト氏が強調するように、近年、予見不能かつ計量不能な事象が増えているという感覚を持つ投資家は少なくないだろう。 実際、世界の不確実性は高まっているのではないだろうか。その背景