日本の経済状況が不安定化し、勤め先での雇用の安定や定期昇給が見込めない中で、結婚や子育てに関する金銭的、労力的負担が大きく、諦めるしかなくなっている……というわけだ。 こうした「若者の貧困化」説に、私は違和感を覚える。じゃあ、お金があったらクルマを買い、お酒を飲み、彼氏彼女を作るのか? 将来、課長、部長と昇進して給料も上がると思えたら、旅行に行き、結婚し、出産するのか? 仮に若者が貧困化しているとして、それは「子どもを持つことを望んでいるが、それを選択できない理由」としては成立する。しかし、そもそも「子どもを持ちたくない理由」に適用していいのかどうかは疑問だ。 まだある。なぜ若者は、子育てにそんなにお金がかかると思っているのだろうか? 具体的に何をイメージして「お金がかかる」と考えているのか? 子育てでも周りから浮きたくない 私の見立てはこうだ。今の若者、特に「いい子症候群の若者たち」は、