成長著しいアジア市場を取り込もうと、日本企業は「アジア重視」の旗を振り続けてきた。だが、それは日本人発想の「現地化」ではなかったか。期待していた成果を本当に得られているだろうか。 本誌は提言する。今こそアジアを母国市場と捉え直し、「アジアファースト」とも言うべき事業構造に転換すべきだ。それができなければ、変化の激しい環境に跳ね返される。 ここでは日経ビジネス3月31日号の特集「アジアファースト」と連動し、アジアファーストに舵を切り、成果を上げている企業の事例を紹介する。4回目は、女性登用にインド事業の活路を見いだしたヤマハ発動機を取り上げる。 同社は今、新工場への投資や人材投入でもインドを最優先しているのが見て取れる。しかし特集でも触れたように、インドでは長らく苦しい時期を過ごしてきた。インドに賭ける柳弘之社長の原体験を追った。