日頃、自分が正しいと思っている人ほど、デリカシーがないものである。さて、この人の場合はどうか。社民党の吉田忠智党首(60)を落選させ、自分だけが当選した福島瑞穂副党首(60)。今回の結果に後ろめたさなど、微塵も感じていないようなのだ。 *** 「中々辛いことですね……」 その後、5秒程沈黙して、 「選挙戦の中では、それぞれの持ち味を生かして競い合うことが大事である、と申し上げて参りました」 10日夜、永田町の党本部で行われた会見で、福島議員と議席を奪い合う形になったことについて聞かれ、こう答えた吉田議員。5秒の沈黙に、彼の口惜しい思いがにじんでいる。 そもそも、社民党が比例で2議席取るのは至難の業。そこで、吉田議員は福島議員に再三、選挙区に回るよう要請した。が、彼女は頑なに拒否し、2人が比例で出馬する事態となったのだ。 「知名度は福島さんが圧倒的に上ですからね。ある意味、当然