生前退位の意向を示している天皇陛下が、「お気持ち」を表明されたのを受け、今後、国会などで陛下の生前退位をめぐる議論が進むとみられるが、天皇の生前退位は、現在の憲法や皇室典範では想定されていない。 実現には退位制度の新設に加え、新元号や退位した天皇の呼称、住居など、新たに決めなくてはならない問題が山積している。 1979年制定の元号法は、「元号は皇位の継承があった場合に限り改める」と一世一元制を規定しており、生前退位が実現すれば新元号を決めることになる。89年の前回の改元の際は、昭和天皇の逝去当日、有識者による「元号に関する懇談会」の意見を踏まえ、三つの候補の中から「平成」が選ばれた。閣議決定を経て、当時官房長官だった故小渕恵三氏が逝去の約8時間後に発表した。 皇室典範には退位についての規定がないため、退位後の天皇の呼称や役割についても新たに法整備をする必要がある。歴史上、太上天皇や上