みなさん、こんにちは。西友の富永です。 前回のコラムではビッグデータがマーケティングに与えるインパクトとして「ターゲティング手法の革新」という点を指摘しました。 今回はその続編として「そもそもターゲティングとは何か」ということを考えてみたいと思います。 ターゲットはビジネスを行っていくうえで非常に頻繁に耳にする言葉の一つです。 女子高生をターゲットとしている「X」という商品があるとします。そのとき、Xを製造している企業では、例えば、 Aさん:「他社商品Yは有職女性がターゲットなので、商品Xとは競合していない」 Bさん:「商品Xのターゲットは女子高生だから、ティーン向け雑誌に広告を打とう」 Cさん:「商品Xのターゲットは女子高生だけど、ドラッグストアやコンビニエンスストアにしか配荷しないのはバカげている」 などなど、いろいろな人がいろいろな視点・観点からマーケティング・販売施策を論じていると
みなさんこんにちは、西友の富永です。 今回は「2012年の大きな変化」という視点で、今年話題になった「O2O(オンライン to オフライン)について考えてみたいと思います。 O2Oという言葉はその名の通り、PC・ケータイ・スマートフォン(スマホ)などの「オンライン機器」から店舗・飲食店など「実店舗」へ顧客を動員する、という考え方です。言葉としては2010年度ごろ出ていたようですが、マーケティング用語として確立されたのは今年からなのではないでしょうか。 ちなみにe-コマース黎明期から「クリック・アンド・モルタル」という呼び方でウェブ起点の店舗連動は語られ続けました。しかし、スマホの普及によって閲覧性の高いウェブデバイスを個々人が常に携帯するようになり、O2Oという形で大きな可能性を秘めたマーケティング手法として改めて注目されていると考えています。 「消費者に働きかけてどこかに足を運んでもらう
「キュレーター」に聞く仕事術 今回お話をうかがうヒットの仕掛け人は、キュレーターの長谷川祐子さん(東京都現代美術館/チーフ・キュレーター)だ。 「キュレーション」(キュレーター)という言葉は近年にわかに注目を集めている。ソーシャルメディアも駆使した「21世紀の情報編集・発信スキル」といった意味合いで用いられることも多いこの言葉だが、人によって解釈と定義はさまざま。何をもってそう呼ぶのか、いまいち不明なことも多い。 ご存知のように「キュレーター」はもともと、美術分野で耳にすることが多い専門職である。「学芸員」という呼び方がよりポピュラーかもしれないが、「キュレーター」と言ったときには単に名画解説や美術ガイドを行うだけではなく、主体的に展覧会を企画し、アートと時代の関わり方をデザインしていく職種というイメージもある。 そのフィールドに長く携わっているエキスパートがどんなふうに発想し、仕事を進め
今回は「パラサイト・シングル」「格差社会」「婚活」などの言葉を世に送り出した、中央大学文学部教授で社会学者の山田昌弘先生に対談にお越し頂きました。人口の半数以上が50歳以上という未曽有の超高齢社会に突入している日本。晩婚化・晩産化が進み、婚活という言葉が流行語になるなか、若者の結婚観や消費感覚はどう変化してきているのか。日本とアジアとの比較を交えながら、お話しさせていただきました。 原田 今、「モテキ」という映画が若者の間でヒットしています。三十路近くのモテない派遣社員の藤本幸世が、ある日突然、過去の知り合いの女の子から次々と連絡が入り、「モテ期」が始まる。でも、結果的には不器用でなかなかうまくいかない、世の中そんなに甘くない、といった内容です。 山田先生の「婚活」という言葉通り、若者たちの恋愛が複雑で難しくなっていて、だからこそこういう内容に共感する若者が多いのだと思います。 そう言えば
博報堂若者生活研究室のアナリスト・原田曜平です。 私は、「博報堂若者生活研究室」という組織で、日本と中国を中心とするアジアの若者研究・マーケティングを続けています(「若者研」の活動についてはこちらをご覧ください)。 さて、そんな私には、若者に関する知見をお持ちで、いつも教えを頂いているたくさんの有識者の知り合いがいます。ある方は学者さんであったり、メーカーで若者向けの商品開発をされている方であったり、マーケッターであったり、若者から支持の厚いカリスマブロガーさんや美容師さんであったり、アパレルブランドやショップを立ち上げている方であったり、実に様々な業界の方々がいらっしゃいます。 これらの皆様と、日々、意見交換や情報交換をさせて頂くことで、若者自身から得る生の情報を構造的に把握できるように努めています。この日経トレンディネットの連載上でも、若者に対する知見をお持ちのいろいろな方と対談させて
こんにちは、西友の富永です。 今回は自販機について考えてみたいと思います。 私は以前、清涼飲料メーカーに勤務したことがあり、そのときに自販機のイノベーションを担当していました。当時、清涼飲料の自販機は、日本全体で200万台強が設置されていました。清涼飲料水だけでも国民60人に1台設置されている計算で、これにタバコや菓子などの機器を合わせて考えれば、自販機はすでに社会的なインフラといっても過言ではないでしょう(2010年末時点での飲料自販機設置台数は約259万台、タバコが37万台。日本自動販売機工業会調べ)。 “アンチ省エネ”の象徴としてやり玉に挙げられることの多い自販機ですが、私が担当していた2000年前後にはすでにこんな取り組みがなされていました。 (1)災害情報発信機能 自販機にポケベル機能を搭載し、災害時の情報発信端末として活用するものです。地方自治体が災害時の情報発信拠点として、台
みなさん、こんにちは。西友の富永です。 今回は毛色を変え、「使いやすい/使いにくい」「わかりやすい/わかりにくい」とはいったいどういうことなのか、といったことを考えてみたいと思います。 まずはじめに、少し突飛な例ですが、以下のようなガスレンジを想像してみてください。 このガスレンジは、上から見ると手前に2つ、奥に1つバーナーがあります。手前の右側がハイカロリー、左側が揚げ物、奥は通常のバーナーです。 また、正面から見ると、一番左側に魚を焼くグリルがあり、その横、一列になってバーナーとグリルをコントロールするための、4つの点火・火力調整用つまみがついています。順番は右から、グリル、ハイカロリー、通常、揚げ物用です。つまみの下には、それぞれ「ハイカロリーバーナー」「グリル」といった表示があります。しかし、通常このガスレンジを利用するときの姿勢、つまり上からレンジを見下ろす姿勢では、この表示は見
このコラムを連載している原田曜平です。 まず、未曾有の震災で被害に遭われた方々に心からお見舞いとお悔やみを申し上げるとともに、引き続き国民全員で一致団結していきましょう、ということを申し上げたいと思います。 さて、2010年新語・流行語大賞に「無縁社会」という言葉がトップテンにランキングされました。「無縁社会」とは、単独世帯が増加し、人間関係が希薄な社会になっているという意味で、昨年、NHKがこれをテーマとする番組をたくさん放送したことで話題となりました。一昔前は、「核家族」が問題視されていましたが、今では「単独世帯」が社会テーマになっているわけです。 ところが、確かに高齢化した日本社会全体を見ると、「無縁社会」は忌々しき一大テーマになっているのですが、スコープを若者に移してみると、話は180度変わってきます。 拙著「近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」」(光文社新書)の中で
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