平等に向けた取り組みが「やり過ぎ」と感じる日本のZ世代の男性は、同世代の女性や他世代の男性の約1・5倍に上ることが、国際的な意識調査で明らかになった。Z世代男性は他世代に比べ、平等が推進される中で何らかの不利益を感じている様子が浮かぶ。 何らかの不利益、実感? 調査はフランスの民間世論調査会社イプソスが2~3月、欧米やアジア、アフリカなどの各地域の29カ国計約2万1800人を対象にオンラインで実施。日本では983人(男性498人、女性485人)から回答を得た。
元国際線客室乗務員が、なぜか旧日本軍「戦友会」の「お世話係」に――。気づけば20年以上、元将兵たちと深く関わってきた研究者が、遠藤美幸さんです。第二次大戦の戦場を経験した人が本当に少なくなった今、遠藤さんは彼らの残した言葉に何を思っているのでしょう。高齢者に「巻き込まれた」という遠藤さんの真意は?【聞き手・鈴木英生】 戦友会の「お世話係」に 私は、2000年代前半、戦時中にビルマ(現ミャンマー)中国国境地帯などで戦った元日本陸軍将兵の聞き取りを始めました。そのうち、陸軍第2師団の戦友会「勇(いさむ)会」と後継の「勇会有志会」で、雑用から会計まで任される「お世話係」にいつのまにかなっていました。 有志会は17年に解散し存命の元将兵は1人ですが、今も私は遺族らとの交流を続けています。 他方、戦場体験の語り部活動などをしてきた「不戦兵士・市民の会」にも15年から参加し、理事を仰せつかりました。昨
11月の米大統領選を目指す共和党のドナルド・トランプ前大統領が12日、実業家のイーロン・マスク氏によるインタビューで、東京電力福島第1原発事故に関して「2000年は現地に戻ることはできないと言われていた」と発言する一幕があった。震災後に福島県を訪問した経験のあるマスク氏は異を唱え、「福島ですら危険ではない。地元で生産された野菜も食べた」とたしなめた。 エネルギー政策が話題になった際、マスク氏は原発推進の立場を説明。トランプ氏は冗談半分で「(原発という)名称の問題がある」と述べ、福島やチェルノブイリ原発の事故について「2000年後に人々が土地を使うことができる」と軽口をたたいた。 これに対して、マスク氏は「それは違う」と反論した。事故当時、米西部カリフォルニア州で「日本から来る雲が心配だ」といった声があったとした上で「私は福島県に飛んで、現地で生産された野菜を食べ、そうした考えがバカげている
フリーアナウンサー・川口ゆり(29)が所属する事務所「VOICE」が11日までに更新サイトを更新。川口の不適切投稿をめぐり、契約を解消したと発表した。 公式サイトでは「当社は、2024年8月10日(土)をもって、川口ゆりとのアナウンス事務所VOICE所属契約を解消いたしましたのでご報告申し上げます」と告知。 「川口氏はX(旧Twitter)のSNSに於いて、異性の名誉を毀損する不適切な投稿行為が認められたことから、当社はアナウンス事務所として、所属契約の維持は困難と判断し、やむなく契約解除通知をするに至りました」とし「尚、当社では、言葉は誰かを傷つけるためにあるものではなく、勇気づけたり愛を語るためにあるものと考えており、言葉を扱う仕事に携わる者としてはあってはならず、大変心苦しく考えております」とした。 また、川口も自身のX(旧ツイッター)を更新し「この度は私の不用意な発言で不快にさせ、
長崎市で9日に開かれた平和祈念式典に、米欧6カ国と欧州連合(EU)の大使が出席を見合わせた。パレスチナ自治区ガザ地区で戦闘を続けるイスラエルが招待されなかったことを受けた措置だが、どのように考えるべきなのか。有識者に聞いた。 篠田英朗・東京外大教授(国際政治)の話 米欧諸国は今回、イスラエルが招待されなかったとしても、粛々と平和祈念式典に参加するという選択肢もあったはずだ。式典に参加したからといって、イスラエルが怒るとは考えづらい。 だが米欧は、日本との外交関係を悪化させるリスクがあっても、大使を欠席させることを選んだ。日本はこれまでG7(主要7カ国)の連帯を重視し、米欧が求めるウクライナ支援に大きく貢献してきた。今回の米欧の政治判断はとても妥当だったとは言えない。 米欧は欠席の理由とし…
高齢批判で撤退を決めたバイデン米大統領(81)は21日、次期大統領選候補として、ハリス副大統領(59)を推薦した。バイデン氏より20歳以上若く「世代交代」をアピールできる上、ジャマイカ系黒人の父とインド系の母を持ち、黒人票を取り込める。ただ課題も多く、トランプ前大統領に対抗できるかは未知数だ。 ハリス氏は西部カリフォルニア州生まれ。父親は経済学者、母親は乳がんの研究者で、幼い頃に両親が離婚し、母親に「黒人の娘」として育てられた。 母親は容姿やなまりのある英語から露骨に差別されることがあり、幼い頃から「平等」や「公平」について考えることが多かった。首都ワシントンにある黒人名門大学ハワード大で学び、在学中は南アフリカの人種隔離政策「アパルトヘイト」に抗議する集会にもよく参加していたという。 検事に就任すると子供への性的暴行事件の捜査や薬物犯罪者の更生プログラムに力を入れた。2010年に黒人女性
米東部ペンシルベニア州で13日に起きたトランプ前大統領の銃撃事件で、同州のシャピロ知事は14日の記者会見で、銃撃で死亡したのは同州在住の消防士、コーリー・コンペラトーレさん(50)だと明らかにした。コンペラトーレさんは熱心なトランプ氏の支持者で、一緒に選挙集会に来ていた妻子をかばおうとして銃撃を受けた。シャピロ氏は「コーリーはヒーローとして亡くなった」と死を悼んだ。 シャピロ氏は会見で「コーリーは2人の娘の父親であり、消防士であり、毎週日曜日に教会に行く人物だった。自分が暮らすコミュニティー、そして何よりも家族を愛していた」と述べた。遺族と面会し、同意を得た上で、身元や人柄を公表したという。 米メディアによると、コンペラトーレさんは地元の消防団長を務めたこともあった。友人がオンラインの募金サイトで遺族への支援を呼びかけたところ、14日昼までに目標の7000ドルを大幅に超える約20万ドル(約
まるでパラレルワールドだ――。東京都知事選の翌日、社会学者で東京大学大学院情報学環准教授、藤田結子さんは感じた。大学関係に多いリベラルな知人たちと、藤田さんが普段からインタビューをしている10~20代の若者たちとで、石丸伸二氏(41)への評価がまるで違う。Z世代はなぜ、石丸氏を支持するのか、藤田さんに語ってもらった。【オピニオン編集部・小国綾子】 Z世代は「石丸一択」 ある出口調査によると、20代以下の若者の4割以上が石丸氏を支持したそうです。私は10~20代の若者、いわゆる「Z世代」の調査をしていますが、多くの若者にとって都知事選は「石丸一択」でした。テレビを見ない彼らにとって、石丸氏は唯一の、よく顔の見える候補だったからです。 選挙の度に大学生に話を聞いてきましたが、今回は都知事選の何カ月も前から石丸氏のことを知っていた者が多かった。 「石丸現象」について他の識者の見方はこちらです Y
賃上げには労働生産性の向上が必要――。そんなふうに言われて久しいが、本当にその通りなのだろうか。厚生労働省が2023年9月に出した報告書「労働経済の分析」からは、経済学の教科書通りには進んでこなかった日本経済の姿が浮かび上がる。 1996年から21年までの1人当たりの実質労働生産性と実質賃金の伸びを比較したところ、生産性はじわじわと上昇していたが、賃金は伸び悩んでいた。両者がほとんど同じ勢いで伸びた米国とは状況が大きく異なる。ドイツは両者に開きのあった時期が続いたものの、20年ごろに賃金が追いついた。 第一生命経済研究所の星野卓也・主席エコノミストは「政府は00年代、生産性が上がれば賃金も上がるという前提で政策を実施した。その結果、企業は以前より稼げるようになったが、その富が労働者には回ってこないという状況が起きてしまった」と指摘する。 資本をどれだけ効率的に使って利益を上げられたかを測る
7日投開票の東京都知事選で、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)が165万票余を得て次点に入った。既存の政党や政治を否定する地方都市の前市長が得た多くの票は、有権者の根深い政治不信を示しており、与野党に「石丸ショック」とも言うべき動揺が広がっている。 関連記事 石丸氏、街頭演説は歓声とコール 自民「もう表紙代えるぐらいでは…」 写真特集・小池氏、石丸氏、蓮舫氏 当日の様子 都知事選での蓮舫氏の3位敗退は立憲民主党内で驚きをもって受け止められ、自民党の裏金事件を追い風に高まった「政権交代」の機運は急速にしぼみつつある。 手応えあった陣営、風向き変わった中盤 「既存政党、従来の政治や選挙のやり方への忌避感が、一つの勝敗の要因になったんじゃないか」。立憲の辻元清美代表代行は8日、記者団にそう語った。 4月の衆院3補欠選挙や5月の静岡県知事選で連勝し勢いに乗る立憲は、共産党と共に「勝てる候補」
東京都知事選で元立憲民主党参院議員の蓮舫氏の票が伸び悩み、立憲内に衝撃が走った。 「非常に厳しい結果になった。結果をしっかり分析した上で、次につなげていきたい」。立憲の大串博志選対委員長は7日夜、自民党などが支援した小池百合子氏の3選確実の報を受け、党本部で記者団にそう語った。 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を追い風に、4月の衆院3補欠選挙、5月の静岡県知事選などで連勝し、政権交代に向けて勢いに乗る立憲は、首都決戦では党内有数の知名度を誇る蓮舫氏を擁立。都知事選で現職に新人が勝った先例はなく、自民、公明両党が支援する現職の小池氏に仮に及ばなかったとしても「肉薄できれば意義のある結果になる」との読みがあった。 しかし蓮舫氏は終盤にかけて勢いを失い、小池氏との当選争いどころか、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏と2、3位を争う展開に。蓮舫氏の街頭演説などには多くの人が集まり続けていただけ
日本維新の会の藤田文武幹事長は3日の記者会見で、東京都知事選(7日投開票)で前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏を支援する維新の世田谷区議が離党届を提出したことについて、「大変残念だ」と語った。 維新は都知事選で独自候補の擁立を断念し、特定の候補者を支援しない「静観」の方針を表明。これに対し、区議は自身のブログなどで「議員として意思表示しないこ…
欧州の子育て先進国も政策効果の一巡後は出生率低下に直面している。持続的な向上には、良好な経済・雇用環境も欠かせない。 2015年に100万人であった日本の出生数は、その後速いペースで減少が進み、24年には70万人を下回る見通しである。今後、国が示した将来の出生数(中位推計)を下回って推移する可能性が高い。 政府は、10年代に保育所の受け入れ枠を拡大し、待機児童はおおむね解消した。その後も男性に育児休暇取得を促すなど、子育て支援や少子化対策に注力してきたが、少子化に歯止めはかかっていない。政府は、「こども未来戦略」を策定して児童手当の拡充や保育環境の充実などを図る予定であるが、それらが少子化反転につながるかどうかは予断を許さない。 ここでは、欧州諸国の少子化の状況を概観し、日本の少子化対策のあるべき姿について考える。 大幅低下のフィンランド 欧州には、先進的な少子化対策を導入し、高い合計特殊
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