子どもの頃によく遊んでいたファミコン。本体にはカセットを取り外すためのレバーと電源のスイッチの他にリセット用のボタンが付いていた。 赤く四角いボタンで、押すとそれまでのデータが消去される。名前の通り、軽くポチッと押すだけで、それまでの過程が綺麗さっぱりリセットされた。 子どもながらにチートなボタンだとは思ったが、それ以上に魅惑的なボタンに感じた。 もちろん間違って押してしまえば、それまでの苦労は台無しになってしまう。実際、何度かそれで泣きを見た。それでも僕にとってリセットボタンが魅惑的だったのは、状況が悪くなればいつでも簡単にやり直しができたからだ。 操作しているキャラが死にそうになったり、勝負で負けそうになったり、リセットボタンを使えば、ゲームオーバーを宣告される前にいくらでも回避できる。 「さぁ、押せ」「さぁ、押せ」。リセットボタンは子どもの僕を誘惑してきたが、リセットボタンは決して、
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