俺は元障害者だ。本当は生きられない体で生まれてきたのに、実験的な手術で助かってしまった。同じ手術を受けて死んだ子がいる事も確認している。自分は、死んだ子の分も生きなければならない。死んだ子の代弁者として生きなければならない。健常者と我々、死に損ないの間には、決定的な違いがある。健常者は、ほっといても生きられる。我々は、そもそも手術なしでは生きられない体を持って生まれてきた。我々は、生命と言えるのだろうか?我々には生きている価値があるのか?俺は、幸い、見た目は健常者と同じ程度に回復しているので、健常者と同じように生活して、この10年、健常者の行動をつぶさに観察しながら、健常者が我々に死んで欲しいのか生きて欲しいのか、見極めようとしてきた。しかし、どうもはっきりしない。それどころか、俺を健常者と誤認して、俺の考え方が間違ってるとかいうやつも出てきた。俺が気にくわないなら、俺が生まれた時に手術を