文部科学省は博士課程学生の生活費と就職先確保を、セットで支援する事業を2021年度に始める。各大学が自らの研究・教育戦略に基づいて、外部資金の間接経費や産学共同研究費の一部を博士支援に回し、その3分の2を文科省が補助する。これにより活力ある分野で博士進学率が高まり、好循環になると期待される。博士新1年生約1000人の支援から始める。概算要求で約29億円を計上した。 新事業ではまず各大学が、社会ニーズを含めて強化すべき分野など研究戦略を明確にする。これに合わせて修士課程修了後に博士課程へ進学した学生の経済支援と、博士号取得直後の雇用確保をするコースや奨学金を設定する。原資は大学側の外部研究費の間接経費や、直接経費によるリサーチアシスタント(RA)費などだ。これに対して文科省が補助する仕組みだ。 大学は分野により産学共同研究や研究インターンシップ(就業体験)を必須にしたり、海外研究機関の博士研