ニュー戸塚シティーの空の色は、ションベンが染みたチノパンの色だった。上空に浮かんだホロビジョン空間投影装置に映るのは、グリーン色の文雄。自宅療養中にRGBの3色に分離した総理大臣は、初めは上手くやっていたらしい。緑がテレワークを担当し、青はブルアカのデイリークエストを担当。赤が昼飯の辛ラーメンを作る...といった具合に。しかし「ブルアカのアカは赤だろうが!」と主張するレッド文雄が、ブルーの辛ラーメンに激辛の粉を大量投入した結果、除幕式で森喜朗の胸像に麺を吹き出してしまった。「あんた、あんまり凝り性アーティストなんだよ、ペニス大人」互いの首を全裸で締め合う二人に愛想を尽かした緑の文雄は、合体加法混色を拒んで電子の海へ逃げ込み、結果的に紫パープルの文雄は喜朗の怒りを解くことは出来なかった。 国家、企業、家族、そして政党。この社会では、中年男性は走り続けなければいけない。止まれば暗い失業の海に沈