あっけなく、そして前代未聞の幕切れで日本シリーズは終わった。 ソフトバンク・秋山幸二監督が選手と喜びを爆発させるその横で、阪神・和田豊監督が審判団に激しく抗議を繰り広げていた。 守備妨害――。 ソフトバンクが3勝1敗で王手をかけた第5戦。1点のリードを許して迎えた9回、阪神の最後の攻撃だった。鷹の守護神D・サファテ投手の乱調につけ込み1死満塁と攻め、スタンドの阪神ファンは同点、いや逆転への夢を膨らませていた。 打席は西岡剛内野手。カウント3-1からの5球目を打ち返した打球は一塁正面へのゴロとなった。一塁手の明石健志内野手が捕球すると本塁に送球して、三塁走者が封殺されて2死。そして細川亨捕手が併殺を狙って一塁に送球したボールが、打者走者の西岡の左手に当たってファウルゾーンに転がった。 その間に同点の走者がホームに滑り込んだが、間髪を入れずに白井一行球審が守備妨害を宣してゲームは終わった。 西