またオシムは、別のときに「私は日本のサッカーが規律に溢れているとは思わない」とも述べている。そうであるならば、トルシエやオシムが語るコレクティビティやディシプリン(規律)と、日本人が考えているそれらの違いを踏まえたうえで、日本代表はこれからどこに向かっていくべきなのか。 トルシエの言葉は続く。 トルシエが考える「3つのプレー基準」とは ――監督は明確な理念や哲学を選手に示すことで、彼らにコレクティブな戦略に基づいたプレーをさせられるわけですね。 「繰り返すが、戦略とは11人の選手が個別に考えるものではない。むしろ共通の戦略のもとで、選手はそれぞれが決断を下す。優れた選手と凡庸な選手の違いは、そこにおける決断と実現するクオリティだ。 プレーには3つの基準(段階)がある。最初の基準は選手がプレーを理解すること。どういう状況にボール、チームがあるかを理解する能力だ。2つ目の基準は決断・判断だ。決