今回はアインシュタイン1905年第1論文、『Zur Elektrodynamik bewegter Körper』について少しコメントしたいと思います。英語には「On the electrodynamics of moving bodies 」と訳されています。日本語では「運動物体の電気力学」でしょうか。特殊相対性理論に関する論文です。 これは30ページの論文ですが、今日の論文スタイルであればその半分ほどの15ページほどでしょう。それでも今日の標準的な論文の2~3倍の量です。 序論の部分で重要な公理を述べています。 (1) 互いに等速関係にある観測者にとって、力学の方程式は同じであり、電磁気学現象と光学現象も互いに同じ法則に従う。 (2) 光は、真空中を光源の速度には依存しない一つの定まった速度で伝播する。 そして、序論を意欲に満ちた次のパラグラフで結んでいます。 ここに展開する