ここ2年ほど、マイルドヤンキーに代表されるような郊外で生きる若者たちを肯定的に捉える言説が目立っている。 郊外型のショッピングモールでカー用品を買い、休日は仲間と実家の駐車場でBBQを楽しむ。地元と仲間を愛す彼らをマーケティングの対象として見直す動きが見られるが、その実態に目を向けると、決して彼らを手放しで賞賛すべきではないことが明らかになってくる。 東京・池袋から北西に伸びる東武東上線。埼玉県の川越市、坂戸市、小川町などのベッドタウンから都心を結ぶこの沿線において、今年春から、10~20代の非行少年グループによる犯罪が目立っている。 その内容は引ったくり、暴行、恐喝。いったい、東上線沿線で何が起きているのか。被害者と加害者の声からその実態を明らかにしよう。 埼玉県川越市。今年春、事件は川越駅からほど近いクレアモールという繁華街で発生した。川越市は東上線沿いではもっとも活気のある歓楽街とい