「おう! 久しぶりやね」 ワールドカップ(W杯)アジア最終予選、埼玉スタジアムでの日本vs.タイの前日練習で「懐かしい人」に再会した。独特の関西弁と屈託のない笑顔。ビタヤ・ラオハクルさんである。ビタヤさんは日本サッカーとの縁が深い。オールドファンにとっては、ヤンマーディーゼル(現セレッソ大阪)や松下電器(現ガンバ大阪)で活躍したタイ人選手。アンダーカテゴリーのウォッチャーにとっては、JFL時代のガイナーレ鳥取の指揮官。そしてアジアのサッカー事情に明るい方なら、チョンブリFC(タイの強豪クラブ)の監督、そして同クラブのアカデミーを立ち上げた人物としてつとに有名である。 現役時代のビタヤさんは、タイや日本の他にもドイツのヘルタ・ベルリンやザールブリュッケンでのプレー経験があり、英語、ドイツ語、日本語に堪能。昔も今も、国外でプレーするタイ人選手は非常にめずらしく、「タイの奥寺康彦」と呼びたくなる