先月は、因果説は仏教そのものともいえるほど重要な教えであるというお話をしました。そして、自分が行うすべての行為の結果は、長い時間をかけても自分に向かってくるのだということをお話ししていましたね。 無常観から生まれやすい虚無主義 このことをもう少しご説明すると、永遠の魂や自我、あるいは我というような何か実在するものがあるという哲学的な考え方は、真理を誤解しているからこそ生まれる考え方であると、お釈迦さまは「因果説」をもって説明なさっています。 では万物のあり方はどうだろうというと、万物は、英語でいうところのimpermanent、一瞬一瞬変化していくものなんですね。科学的に言えば、波動、何かエネルギーの振動のようなものなんですね。無常なのです。 永久に実存するものが何もないというならば、今の一瞬一瞬をやりたい放題にやり、好きなように生きて、楽しんで、後のことには何の責任も持たなくてもいいので