10/31の『わろてんか』。北村家のごりょんさんは、ライバル店が安い米を混ぜて売っているのを知り、「お客さんの信頼を裏切るような真似をしたらあかん!それが、商いをするもんの誇りちゅうもんや」と言い放つ。てんは、まるで毅然とした商売人のあり方に突かれたように、ごりょんさんを見る。演じている鈴木京香も葵わかなも、よい表情をしている。てんの表情からすれば、北村家のごりょんさんは、遊び好きの夫が残した借金に苦しみながらも、派手に商いをするのではなく、客の一人一人を大事にする実直な商売人として描かれようとしているらしい。 にもかかわらず、ごりょんさんの台詞がちっとも響いてこないのは、この劇の中に北村家を信頼してくれるような「お客さん」がついぞ現れたためしがなかったからだ。視聴者が思い出そうとしても、北村家の得意先も、なじみの客の一人の名前すらも浮かばない。てんと楓との争いであれほど力添えをしてくれた
![「わろてんか」の人々はなぜ寒々しいのか – comics and songs](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8d71ff5111e05619a10d29bb40d7aebaa75c8fbc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fs0.wp.com%2Fi%2Fblank.jpg)