WHO事務局上級顧問で英国キングスカレッジ・ロンドン教授の渋谷健司さんが、日本の感染拡大防止策に警鐘を鳴らしている。政治から独立していない「専門家会議」の問題点、クラスター対策、自粛ベースや3密の限界――。いま何が問題で、何が求められているのか。 【図を見る】新型コロナウイルスはケタ違い? 判明した世界の感染者数はこちら * * * ――日本の状況をどう見ていますか。 手遅れに近いと思います。4月8日に出された非常事態宣言ですが、タイミングとしては1週間遅れたと考えています。 専門家会議のメンバーの西浦博・北海道大学教授は4月3日、東京が爆発的で指数関数的な増殖期に入った可能性を指摘しています。その2日前の、1日には専門家会議が開かれていました。この日は、宣言を出すように促す最後のチャンスだったと思います。1週間の遅れは、新型コロナウイルスの場合、非常に大きいのです。 ■クラスター対策
(CNN) 台湾では早期の介入策の導入により、新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めることに成功した。今や台湾はマスク数百万枚を輸出し、欧州連合(EU)諸国をはじめとする各国の感染対策を支援する立場にある。 ドイツは欧州で最大規模の新型コロナウイルス検査を実施している。週35万件に上る検査を通じて感染者を早期に発見し、隔離措置や効果的な治療を施す。 ニュージーランドでは首相がいち早く行動し、国境を閉ざすとともに1カ月間にわたる全国的な都市の封鎖措置に踏み切った。この結果、同国における新型コロナウイルスの死者は9人にとどまっている。 これら3つの政府はいずれも、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に見事に対処したとの称賛を集める。お互いの地理的な距離は遠い。1つは欧州、1つはアジア、1つは南太平洋地域にそれぞれ位置している。 しかし、そこにはある共通点が認められる。どの政府も率
いきなりこう言うと失礼かもしれないが、疫学の学者の先生方は、社会や人間というものが分かっていないらしい。 「8割の接触を削減する」ために、遠距離通勤の人をテレワークにして、短距離の人を通勤にさせれば効果が上がるということを提唱しているという。そりゃそうだわな。通勤距離と比例してではなく、等比級数的に減るというところがミソなのだろうが、それは瑣末な問題だ。 「最重要なこと」はいったい何か? 一番重要なのは、通勤している人々なのだろうか。いったいイシュー(論点や課題)は何か。このイシュー設定が最重要だ。しかし、彼らは「8割削減」という中間的な数値ターゲットを最終ゴールとして、「この8割削減」を達成すればなんでもいいという発想になっているのではないか。そうだとしたら、最悪だ。 イシューは何か。第1に、感染者を減らすことである。感染者を減らすにはどうするか。感染している人が動き回らないようにするこ
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