タグ

ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (4)

  • エジプト、シリア、ケニア、イラン:90年代の再来?

    このところの中東情勢を見ていると、90年代に逆戻りしたのではないか、とのデジャブ感に襲われる。 ムルスィー政権を倒したあとのエジプトでは、ムスリム同胞団の幹部、指導者の逮捕に続いて、NGOとしての同胞団の活動も禁止された。これは、「政治活動はダメだが社会慈善事業はOK」としてきたムバーラク政権時代よりも、イスラーム組織への締め付けが一層厳しくなっている。 シリア内戦では、案の定オバマ米大統領は振り上げた拳の落としどころに悩み、結局中途半端なままうやむやになった。米国がシリア情勢に手を出せないことが露呈された分、内戦はますます解決が遠のいている。前回のコラムで指摘したように、経済制裁下のイラクを持て余したクリントン政権の姿と、被る。 シリアはイラクの二の舞なだけではなく、アフガニスタンの二の舞化もたどっている。反政府勢力のなかにイスラーム武装勢力が大量に流れ込んでいることは自明で、かつてター

  • 「建築のジェノサイド」に気付かない日本

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔9月3日号掲載〕 鎌倉を世界文化遺産に登録しないように──ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)がそう勧告したことを受け、松尾崇・鎌倉市長と黒岩祐治・神奈川県知事は会見で無念さをにじませた。 鎌倉市当局は中世の都市としての「物的証拠が不十分」と指摘されたことを認め、私にこう説明した。人類の遺産として保護する価値があると世界に認めてほしいのは、鎌倉を取り囲む山々とその麓に点在する寺院や遺跡だ。そこに日独自のサムライ文化があると自分たちは考えているが、イコモスにはその意図が十分伝わらず、「武家の古都」とする根拠が不十分だと判断された、と。 黒岩知事は今回の勧告に「目の前が真っ暗になるような衝撃を受けた」と語った。こんな妥当な判断に衝撃を受けているようでは、知事の体が心配になる。そもそも県の誇る珠玉・鎌倉がじわじわ破壊さ

  • 新国立競技場が神宮の森を破壊する

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔11月5日号掲載〕 1964年の東京オリンピックほど、開催都市に影響を与えたオリンピックは少ない。今の東京の姿は基的に、あの頃につくられた。64年の日といえばスタートラインに就いたばかり。国民の年齢中央値は約26歳で、第二次大戦中の空襲で焼け野原になった東京は不死鳥のごとくよみがえろうとしていた。 後藤・安田記念東京都市研究所によれば、日は年間予算の3分の1に当たる約1兆円をオリンピックに費やした。今日の約70兆円に相当する額で、大半は新幹線や首都高速道路、地下鉄の建設に使われた。 64年は、日の製造業が目覚ましい成長を始めた年でもある。65年から85年にかけて自動車の輸出台数は35倍に、テレビの輸出は148倍になった。文化的創造力も発揮された時代だ。市川崑監督のドキュメンタリー映画『東京オリンピック』は、当時の日がいかに独創的だったかを証

  • グーグルのモトローラ買収で振り出しに戻った不毛な特許戦争

    グーグルが、モトローラ・モビリティーを買収。 この大ニュースは、グーグルがスマートフォンのハードウェア・ビジネスに格進出するのではないかとか、グーグルがオープンソフトとして提供するモバイル用OSの アンドロイドを、自社製ハードウェアに搭載して有利に使うつもりではないか、といった憶測を呼んでいる。 だが実際のところ、この買収の背景にあるのは、現在世界で繰り広げられているパテント(特許)戦争である。ここ数年、モバイル端末やスマートフォンの領域でたびたび訴訟が起こされてきたが、今やそれが、競合を抑え市場を制覇するための道具としてパテントを利用する格特許戦争に発展したことが、今回の買収ではっきりした。 パテント戦争は昨年あたりから目立って過熱化していた。パテント侵害で訴える企業、訴えられる企業、その侵害の内容はさまざまだが、大きく言えば「アンドロイド」とiPhone、ウインドウズ携帯など「その

    グーグルのモトローラ買収で振り出しに戻った不毛な特許戦争
    candidus
    candidus 2011/08/19
    たしかに不毛かもしれない
  • 1