リウマチ患者に落語を聞かせた実験や、ガン患者らに吉本新喜劇を見せ、その前後でガン細胞を直接攻撃するナチュラル・キラー細胞(以下、NK細胞)の活性化を調べるというという実験、また最近では糖尿病患者に漫才を聞かせて血糖値の改善を認めたという報告まである。それらはマスコミでも面白い話題として、しばしば取り上げられ、お笑い産業は健康産業と豪語する状況になっている。笑いは学問だというコンセプトで研究しているのが、日本笑い学会で2013年には設立20年を迎え、全国で列島縦断講演会をこの1年で実施中である。その一部を紹介する。 落語を聞かせてリウマチの症状が改善1) 1995年3月、30年以上のリウマチ治療のキャリアを持つ、日本医科大学リウマチ科の吉野槙一教授は病院の一室に寄席の舞台をつくり、落語家の林家木久蔵(現・林家木久扇)さんを招き、慢性関節リウマチ患者を対象にある実験を行った。慢性関節リウマチは