『よくわかる医薬品業界』著者の長尾 剛司氏による連載2回目のテーマは、超高齢化時代における「医療費問題」と、製薬業界への影響について。 就活中の学生さんも、高齢化による年金や医療費の問題など、社会保障に関するニュースを目にする機会も多いのではないでしょうか?これらは製薬業界にも密接に関係している問題です。 まずは、国民皆保険制度によって成り立っている日本の医療費の仕組みについて、基本的なところから説明していきましょう。 ◆ みなさんは、病院やクリニックで受診したことがありますか? 例えば「花粉症」の患者さんなら、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの解消したい症状があり、医療機関を受診します。医師の診断により、薬物治療が必要と判断されれば、窓口で薬を手渡されます。院外処方せんを発行している医療機関であれば「処方せん」という文書を手渡され、処方せんを受け取った患者さんは保険薬局で提出して調剤しても