中国の経済成長や急激な円安を受け、技能実習制度で訪日する中国人が急減している。実習生は工場や農村などの人手不足を補い、帰国後は等身大の日本を伝えて対日感情を和らげる役割も担ってきた。中国人の出稼ぎ先は多様化しており、日本の魅力を高められるかが問われている。 「日本への印象変わった」 「長野で働いた3年で、中国の抗日映画で抱いていた日本への印象が大きく変わった」。中国東北部の瀋陽市で乳製品店を営む夏新さん(30)は、買い物客をさばきながら語った。 2009年まで3年間、長野県佐久市で、カーネーションなどの栽培に従事した。貧しい農家出身で、日本で当時稼いだ月給約15万円の中から貯金して、今の店を開いた。常連客の好みを覚え、賞味期限が近づいた商品は棚から取り除く。「きめ細かなサービスには日本で学んだことが役立っている」。周囲に日本人の礼儀正しさや仕事に取り組む熱心さを紹介。夏さんの話を聞いて実習