ブックマーク / takagi-hiromitsu.jp (13)

  • 高木浩光@自宅の日記 - テレフォンバンキングからのリバースブルートフォースによる暗証番号漏えいについて三井住友銀行に聞いた

    ■ テレフォンバンキングからのリバースブルートフォースによる暗証番号漏えいについて三井住友銀行に聞いた 先週から、「ドコモ口座不正引き出し事件」の原因として、被害の発生した銀行が4桁数字の暗証番号で認証処理していたことが取りざたされており、リバースブルートフォース攻撃の手口が暗証番号特定の手段として使われた可能性について、テレビのワイドショーでも扱われるなど、世間での認知がかつてなく高まっている。 そこで、この機会に、昔から存在していたテレフォンバンキングの危険性について、銀行側に抗議すれば今ならご理解いただけるのではないかと考えた。この問題は十数年前にも銀行側に伝えているが、サービスを止めるわけにもいかないし、電話経由での自動処理による攻撃は考えにくいと当時は考えられたのか、対処されることはなかった。2020年の今日、電話経由のサイバー攻撃は技術面で十分に容易に可能となっていると考えられ

  • 高木浩光@自宅の日記 - アクセス警告方式(「アクセス抑止方策に係る検討の論点」)に対するパブコメ提出意見

    ■ アクセス警告方式(「アクセス抑止方策に係る検討の論点」)に対するパブコメ提出意見 総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第二課から「アクセス抑止方策に係る検討の論点」に対する意見募集が始まっている(締切は5月14日17時)。ブロッキングの身代わりに提案されていた「アクセス警告方式」の是非を問うものである。 アクセス警告方式については、提案が出た直後から身を削って批判してきたところ*1であるが、先月の「インターネット上の海賊版サイトへのアクセス抑止方策に関する検討会(第1回)」を傍聴したところ、構成員からも反対の声は多い様子だったので、力を入れて批判するまでもないかと安堵していたが、このパブコメの募集の様子からして、国民からの意見として反対の声を必要としているように見えたので、改めて意見書を作成した。油断せず皆で意見を出しておいた方がよいように思う。 意見募集の対象となるのはこの文

  • 高木浩光@自宅の日記 - 検察官は解説書の文章を読み違えていたことが判明(なぜ不正指令電磁的記録に該当しないのか その3)

    ■ 検察官は解説書の文章を読み違えていたことが判明(なぜ不正指令電磁的記録に該当しないのか その3) 先月の「Coinhive事件、なぜ不正指令電磁的記録に該当しないのか その2」の続きである。 検察官の論告に対する世間と国会の反応 Coinhive事件の公判は、2月18日に結審を迎え、検察官から論告・求刑があった。その模様は報道と傍聴者のレポートで伝えられた。 コインハイブ事件、男性に罰金10万円を求刑 弁護側は無罪主張, 弁護士ドットコム, 2019年2月18日 仮想通貨マイニングのCoinhive設置巡る刑事裁判が結審、判決は3月27日, 日経 xTECH, 2019年2月18日 coinhive(コインハイブ)裁判の第四回公判 最終弁論の傍聴してきました。…, モッチー@少年クリプト編集長, 2019年2月18日 第四回公判, 元Coinhiveユーザー@Coinhiveuserの

  • 高木浩光@自宅の日記 - しそうけいさつ化する田舎サイバー警察の驕りを誰が諌めるのか

    ■ しそうけいさつ化する田舎サイバー警察の驕りを誰が諌めるのか 兵庫県警が単なる「無限アラート」を「不正プログラム」と称して不正指令電磁的記録の罪を適用した捜査(家宅捜索)を行ったことが明らかになり、法解釈・適用の誤りである上に法制定時の参議院法務委員会附帯決議の要請をも無視しているとして批判の声が渦巻いているところだが、ここに来て、「すみだセキュリティ勉強会」が活動を休止するとして抗議行動に出たようだ。 「IT業界の萎縮を招きかねない」 “ブラクラURL書き込みで中学生補導”、弁護士に問題点を聞いた, ねとらぼ, 2019年3月5日 Japanese police charge 13-year-old for sharing 'unclosable popup' prank online, ZDNet, 2019年3月5日 「いたずらURL貼って補導」がIT業界の萎縮をまねく理由, IT

  • 高木浩光@自宅の日記 - リーチサイト規制の条文にも欠陥 ダウンロード違法化等著作権法改正法案原案

    ■ リーチサイト規制の条文にも欠陥 ダウンロード違法化等著作権法改正法案原案 ダウンロード違法化対象範囲拡大の論点 著作権法の改正案が国会に提出されようとしているが、そのうち「ダウンロード違法化の対象範囲の拡大」の部分を巡って混乱が続いている。 画像や文書も…ダウンロード違法化、対象拡大?, 読売新聞, 2019年1月23日 静止画ダウンロード違法化案「目的を見失っている」──情報法制研究所、懸念と改善案を提言, ITmedia NEWS, 2019年2月8日 「意味のない法改正」「イラスト界が壊滅する」 違法ダウンロード対象拡大で漫画家らが“反対集会”, ITmedia NEWS, 2019年2月8日 法学者ら84人「ダウンロード違法化」に緊急声明 「海賊版対策に必要な範囲に限定せよ」, ITmedia NEWS, 2019年2月19日 DL違法化「必要な議論尽くされた」「バランスの取れ

    carl_s
    carl_s 2019/03/10
    「今回は、たまたま大騒動になったから、条文案が報道メディアにリークされて、こうして検討することができたが、いつもなら、与党外には知られることなく、閣議決定されてから皆の知るところとなるところだった」
  • 高木浩光@自宅の日記 - Coinhive事件、なぜ不正指令電磁的記録に該当しないのか その2

    ■ Coinhive事件、なぜ不正指令電磁的記録に該当しないのか その2 昨年6月10日の日記「懸念されていた濫用がついに始まった刑法19章の2『不正指令電磁的記録に関する罪』」の「なぜ不正指令電磁的記録に該当しないのか」の節は、続きを書くつもりだったが、それからだいぶ経ってしまった。今改めてそれを書いておく。 当時、私が「Coinhiveの使用が不正指令電磁的記録の供用でない」と主張したことに対して、「それではあれが処罰できなくなる」だとか、「俺のPCのリソースが無断で消費されるのは許せない」とか「電気窃盗だろ」といった反応がチラホラ見られた。これらについて整理しておく。 刑法は「利益窃盗」を不可罰とする 刑法の講学上の概念として「利益窃盗」なる言葉がある。これは、刑法に規定された財産犯が二つのタイプに分けられることから来ている。すなわち、強盗、詐欺、恐喝には1項と2項が規定されていて、

  • 高木浩光@自宅の日記 - 改正NICT法がプチ炎上、工場出荷時共通初期パスワードが識別符号に当たらないことが理解されていない

    ■ 改正NICT法がプチ炎上、工場出荷時共通初期パスワードが識別符号に当たらないことが理解されていない 先月のこと、NHKニュースが「総務省 IoT機器に無差別侵入」と報じたおかげで、一部のメディアが後追いし、プチ炎上して気の毒なことになっていた。その後もじわじわと延焼し、昨日になって、ひろゆき氏から「総務省のセキュリティ調査に「国が不正ログイン」と騒ぐ頭の悪い人たち」とのトドメ記事が出るに至った。これは最初のNHK報道が素人考えで偏向していたところに原因がある。 総務省 IoT機器に無差別侵入し調査へ 前例ない調査に懸念も, NHKニュース, 2019年1月25日 全国の家庭や企業にあるインターネット家電などいわゆる #Iot機器 に国が無差別に侵入を試みる。そんな世界でも例のない調査が来月から始まります。 #サイバー攻撃 対策の一環だということですが、実質的に不正アクセスと変わらない行

    carl_s
    carl_s 2019/02/14
    『工場出荷時の(略)初期設定のままになっているID・パスワードは、不正アクセス禁止法の「識別符号」(2条2項)に当たらず、そのようなIoT機器は「アクセス制御機能」(2条3項)による利用の制限があるとは言えない』
  • 高木浩光@自宅の日記 - 業界の信用を傷つける思想を開陳したトレンドマイクロ社にセキュリティ業界は団結して抗議せよ

    ■ 業界の信用を傷つける思想を開陳したトレンドマイクロ社にセキュリティ業界は団結して抗議せよ トレンドマイクロ製品がApp Storeから締め出された事案が重大局面を迎えた。エバ・チェン社長兼CEOの声明が発表されると同時に、準備されていたZDNetニュースが報じられた。 App Store上の当社アプリに関する重要なお知らせ, トレンドマイクロ, 2018年10月31日 トレンドマイクロのチェンCEO、App Storeでのアプリ削除問題に謝罪と説明, ZDNet Japan, 2018年10月31日 これまでの説明とは異なり、もはやトレンドマイクロ社固有の事情を超え、情報セキュリティ業界の一般論として、業界が必要としている情報取得だったのだと正当化し、社会が理解すべきものだとして、世間に理解を求める声明になっている。 セキュリティ企業は、お客さまのセキュリティならびにプライバシーを改善

  • 高木浩光@自宅の日記 - 懸念されていた濫用がついに始まった刑法19章の2「不正指令電磁的記録に関する罪」

    ■ 懸念されていた濫用がついに始まった刑法19章の2「不正指令電磁的記録に関する罪」 序章 昨日の読売新聞朝刊解説面に以下の記事が出た。 [解説スペシャル]ウイルスか合法技術か 他人のPC「借用」 仮想通貨計算 サイトに設置 摘発相次ぐ, 読売新聞2018年6月9日朝刊 「まさか違法とは……」。こううなだれる首都圏のウェブデザイナー(30)は今年3月、横浜地検にウイルス保管罪で略式起訴され、罰金10万円の略式命令を受けた。自分の運営する音楽サイトに昨秋、「コインハイブ」と呼ばれるコインマイナー用のプログラムを設置したところ、これがウイルスと判断されたのだ。 (略)昨年末から神奈川や宮城、栃木、茨城県警など全国の警察が捜査を開始。これまでに確認できただけで5人のサイト運営者がウイルスの供用や保管などの容疑で捜索を受け、既に略式命令を受けたケースもある。(略) 略式命令を受けたウェブデザイナー

  • 高木浩光@自宅の日記 - 鳥取県の条例改正案、非識別加工情報導入で矛盾噴出(パーソナルデータ保護法制の行方 その28)

    ■ 鳥取県の条例改正案、非識別加工情報導入で矛盾噴出(パーソナルデータ保護法制の行方 その28) はじめに 前回の日記「個人情報ファイル概念が欠如している自治体条例」を書いた数日後、鳥取県が個人情報保護条例を改正して匿名加工情報の制度を導入するとのニュースが入ってきた。 ビッグデータ県が民間提供 産業創出へ体制整備, 日海新聞, 2017年2月22日 鳥取県は新年度、個人情報を匿名化した上でビッグデータとして民間事業者に提供する取り組みを始める。購買行動の分析などビジネス情報として活用が想定される。県は、個人情報保護条例などの一部改正案を22日開会の2月定例会に提出する。都道府県でビッグデータ活用に関する条例改正案を提案するのは県が初めて。(略) 鳥取県議会のサイトを調べてみたところ、2月23日の総務教育常任委員会の資料として、その改正案が公表されていた。 議案第32号 鳥取県個人情報保

    高木浩光@自宅の日記 - 鳥取県の条例改正案、非識別加工情報導入で矛盾噴出(パーソナルデータ保護法制の行方 その28)
  • 高木浩光@自宅の日記 - 名古屋市ではアンケートで「統計的な処理にのみ用いる」は生データ公開の意だそうな

    ■ 名古屋市ではアンケートで「統計的な処理にのみ用いる」は生データ公開の意だそうな 先月こういう話題があった。 子宮頸がんワクチン調査 名古屋市が結果を事実上撤回 #nhk_news https://t.co/cokWXHnenS — NHKニュース (@nhk_news) 2016年6月26日 子宮頸がん「全国で初めて大規模調査を行った名古屋市が、ワクチンを接種したグループとしなかったグループとの間に症状の差は無かったとする分析結果を事実上撤回し、今後、データの分析はしない方針であることが分かりました」(えっ!) https://t.co/okXV3KF6O8 — Haruhiko Okumura (@h_okumura) 2016年6月26日 正しくは「速報と変わらず因果関係なし」 名古屋市子宮頸がんワクチン副反応疫学調査 https://t.co/O1EMviwMbQ :「撤回」とい

    高木浩光@自宅の日記 - 名古屋市ではアンケートで「統計的な処理にのみ用いる」は生データ公開の意だそうな
  • 高木浩光@自宅の日記 - CCCはお気の毒と言わざるをえない

    CCCはお気の毒と言わざるをえない 驚きのニュースが舞い込んできた。CCCがプライバシーマーク(Pマーク)を返上したというのである。日経コンピュータの取材によれば、CCC社の「管理部法務部リーダー」と、「経営戦略部リスク・コンプライアンス統括部情報管理Leader」と、「経営戦略部法務部会員基盤Leader」の3氏もそろってこれを認めているという。 CCC(ツタヤ)がプライバシーマーク返上で日中のプライバシーフリークが騒然の事態(山一郎) - Y!ニュース https://t.co/BKKhMTRyqX — やまもといちろう (@kirik) 2015, 11月 19 書きました。後編は来週掲載です。/ なぜCCCはプライバシーマークを返上し、T会員規約を改訂したのか(前編) https://t.co/mJFLHTEnvK — Naoki Asakawa / 浅川直輝 (@n

    高木浩光@自宅の日記 - CCCはお気の毒と言わざるをえない
  • 高木浩光@自宅の日記 - 匿名加工情報の規定ぶりが生煮えでマズい事態に(パーソナルデータ保護法制の行方 その15)

    ■ 匿名加工情報の規定ぶりが生煮えでマズい事態に(パーソナルデータ保護法制の行方 その15) 個人情報保護法の改正を含む法案が、国会に提出されたとのことで、条文がWebに掲載された。 内閣官房 国会提出法案 第189回通常国会 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案 概要 要綱 法律案・理由 新旧対照表 参照条文 新旧対照表をパッと見てスッと気づくのは、「匿名加工情報」の取扱い義務の規定ぶりに重大な不具合がある点である。 まず「匿名加工情報」の定義を見てみると、次のようになっている。 第二条 9 この法律において「匿名加工情報」とは、次の各号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元する

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