古くから製鉄などにおいて融剤として用いられてきた。鉱石を流動化することにちなんで、蛍石はかつての英名は「fluorspar」という名であった。fluoはラテン語で「流れる」を意味する[2]。また、蛍石はフッ素を含むことから、フッ素を意味する英単語「fluorine」も、この英名から名付けられた[3]。 フッ素の貯蔵に用いられることもある。またアルミ精錬の融剤であるヘキサフルオロアルミン酸ナトリウムを合成する原材料となっている。 蛍石はフッ素が大量に含まれており、粉砕した蛍石と硫酸を反応させることで、フッ化水素酸と石膏が生成される。さらに、このフッ化水素酸からは、様々なフッ素化合物が作られる[4]。 望遠鏡や写真レンズ(特に望遠レンズ)などで、高性能化のための特殊材料として現在ではキーパーツとなっている。天然の蛍石は、古くは19世紀には、顕微鏡などで使われている[1]。 高純度の蛍石結晶は、