「それにしても、お母さんになるにはちょうどいいタイミングだったね」と言われ、何と返してよいか分からずにいると、隣に座っていた婚約者が「本当ですね〜、人生タイミングですね!」と言った。驚いて彼の顔を見ると、彼はこちらに顔を向けないまま、テーブルの下でわたしの膝をぽんと叩いた。 昨夜は結婚を祝う食事会だった。幼い頃からお世話になっている方が、地元からわざわざ東京までやってきてくれて、素敵なレストランを予約してくれた。すれ違う店員さんが皆、何も言っていないのに、おめでとうございますおめでとうございます、と言ってくれ、特別な部屋に通してくれた。良い日になるかもしれないと、どこかで思っていた。 子供の話は、流れては戻ってきた。その度に婚約者がにこにこしながら「そういうもんですかね〜」「なるほど〜! 勉強になります」とか適当なことを言って代わりに対応してくれた。わたしはどんどん気分が落ち込んで、何をし