秋葉原駅を歩いていたことがあった。 6月のことで、どんよりとした空気だった。駅構内の階段を上がっていくと秋葉原駅の名物、ミルクスタンドがあった。牛乳の専門店で、その場で瓶の牛乳をぱっと飲む立ち食い蕎麦屋ならぬ、立ちのみ牛乳屋である。 営業の途中なのだろうか、すこし疲れた様子のアラフォーくらいに見える女性がつかつかとカウンターへと歩いていき、ルーティーンのようにノンホモの瓶牛乳を買っていた。女性は手にテイクアウトしたコーヒーを持っていて、最短の手つきで牛乳をコーヒーのカップにぶち込み(それは本当にぶち込んでいるという感じであった)ひとくち、自家製コーヒー牛乳を飲むと、軽やかに去っていったのである。 かっこいい...... 東京を使いこなしている。僕はその洗練された振る舞いに心が震えたのだ。 それ以来、いつか、秋葉原に行ったときに自家製ブレンドコーヒー牛乳やってみたいと思っていた。ということで
