しんきくさい過去と内面の切り売りだけで人生を構築して行けるほど、俺は人間ができているわけではない。 今日は生きとし生けるものがせねばならない代償行為について述べようと思う。 何度も言うが我がちはや家の家訓は 「うまいものを食べて死ね」 である。うまいものを知らずに死んではならぬのである。死ぬことすら我々には許されない。しかし我が家の「うまいもの」はわりとハードルが低い。親父は飲み屋のポテトサラダも旅先のソフトクリームも大好きで「この世にこんなうまいものはないな!」と言って食う。幸せなことである。さらに余計なことには「こんなうまいもののことを知らずに死んでいく奴らがいるんだよな、かわいそうだなあ!」と言ってさらに酒を進めたり、クリームで口元をよごしたりする。 こんなものを席の隣で聞いた日には酒が不味くなりそうなものなので言わぬが花だと思うのだが、どうにも自分で言うほどこの親父は育ちがよろしく