トップ > 特集・連載 > 結いの心 > 記事一覧 > 5月の記事一覧 > 記事 【結いの心】 「身の丈見失うな」 トヨタの足元<2> 2008年5月12日 「おごれる者は久しからず」。渡辺捷昭(かつあき)社長は入社式で新入社員を戒めた=愛知県豊田市内で トヨタの恐れる「おごり」とはこのことか。 数年前、自動車部品の梱包(こんぽう)用段ボールなどをつくる「中央紙器工業」(愛知県春日町)の本社応接室。当時、社長の合原美治(ごうはらよしはる)(66)は、目の前の課長クラスと見える男が「トヨタマン」だとは信じたくなかった。 ソファにどっかと座り、足を組んでいる。「本社で決まったんでぇ、これだけお願いします」。無造作に置いた資料には、たやすくはないコスト削減額が示されていた。 「(下請け)業者の立場で承ります」。合原はいったん頭を低く下げた。しかし、向き直って言ったせりふに怒気を込