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「寺田寅彦随筆集第一巻」のなかに「球根」という作品がある。胃潰瘍のために静養していた時期について書かれたものである。そのなかにこんな一節があった。 彼の生活が次第次第に実世間と離れて行くのを自分でも感じていた。彼と世間を隔てている透明な隔壁が次第に厚くなるのを感じていた。そしてその壁の中にこもって、ただひとり落ち着いて書物の中の世界を見歩き、空想の殿堂を建ててはこわし、こわしてはまた建てている時にいちばん幸福を感じるようになって来た。この隔壁は自分で作ったものでもなければだれかが持って来たものでもなかった。そうしてひとりでにできたこの壁を打ち破るという事ができるとしても、その努力は今の健康が許さないと思っていた。そう思ってむしろ安心しているそばで、またこうしてはならないという不安の念が絶えず襲いかかって来た。利己的であると同時に気の弱い彼は、少なくも人目には大した事ではないと思われるらしい
アメリカで、10年以上大富豪Rockefellerの名を語ってきた男が捕まった。最終的には別れた妻の元から娘を誘拐したことで追っ手がかかったのであった。 しかし、捜査の過程で、実は過去に別の複数の著名な苗字を語って全米に出没、昔住んでいた家の大家のカップルが行方不明になった事件の参考人、しかも正体はドイツ人だった、ということがわかって、あちこちで大きく取り上げられている。先週末のNew York Timesにも特集として大々的に。 10年前後結婚生活を共にした奥さんはハーバードMBA、マッキンゼーで女性として最年少でディレクターになり、今はロンドンオフィスで働いている、ということで、この人もマスコミに追われている。気の毒・・・。 偽Rockefeller氏は、30年前の高校時代にドイツからアメリカに交換留学生として渡り、それっきり姿をくらまし、その後はChichester、Crowなどのい
http://tinyurl.com/69j336 ここだけではありませんが、「被害者叩きをしている人間を叩いている人間もまた被害者を愚弄しているのだ論法」こと妖怪どっちもどっち*1が発生しています。 沖縄の米兵レイプ事件のときも同じような展開になりました。確かに今回の場合、「死ね」という言葉を使うことが果たして適切だったのか議論する余地はあるでしょうが、タイトルのような論法によって結局全部うやむやにしてしまう方向性に向かうことについてははっきりノーと言っておきます。 さて、「被害者叩きをしている人間を叩いている人間もまた被害者を愚弄しているのだ論法」的妖怪どっちもどっちは、今回のように―これはある意味で逆説的ですが―被害者に落ち度がほとんど見当たらないとき、によく出現します。 今回の場合、伊藤氏を「自己責任」として非難した人間に批判が集中しました。そして批判自体はまったくもって正当であっ
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