国民年金の2010年度未納率が40・7%となり、最悪を更新した。5年連続である。このままでは低年金・無年金者が確実に増加する。制度は危機的状況を迎えている。 全年齢で未納率が増加しており、若い世代が特に高い。25〜29歳47%、30〜34歳では51%と2人に1人が納めていない。背景には厳しい雇用環境下で若い非正規労働者(以下、非正規)の増加がある。低所得のため月1万5千円の定額保険料負担は重い。意識調査でも6割超が経済的に支払い困難としている。 経済的に苦しい場合、免除や猶予措置がある。未払い分を事後納付できる期間(現行過去2年間)を10年に延長する年金確保支援法が成立したばかりだ。この措置で最大1600万人が年金額を増やせる。無年金にならずに済む人も40万人と推計される。そのための手続きをきちんとしてもらうことが大切だ。 これまで日本年金機構の保険料徴収の取り組みが足りなかったのは否めな