概要 研究の目的 「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2019」では、「全世代型社会保障」に向けた改革の一環として、中途採用・経験者採用の促進が謳われた。実態としてもフルタイム労働者の転職が増加傾向にあり、大企業への転職や、若年層・シニア層に比べて定着的とみられてきた「ミドルエイジ」層の転職が増加している。 ミドルエイジ層の転職の増加は、日本企業におけるいわゆる「長期安定雇用」の体制や対象に少しずつ変化が生じつつあることを示唆している可能性がある。今後の雇用体制のあり方を展望する上でも、また「骨太の方針」で掲げられた中途採用・経験者採用の促進を図っていく上でも、ミドルエイジ層の転職に関する実態把握が必要であると考え、調査研究を企画・実施した。本書は、2020年12月に実施した転職者を対象とするアンケート調査を基に、ミドルエイジ転職者の転職活動や転職先における状況、能力開発やキャリア