『終わりなき近代 アジア美術を歩く2009‐2014』 黒田雷児さん 2014年11月09日(最終更新 2014年11月09日 13時57分) 『終わりなき近代アジア美術を歩く2009‐2014』黒田雷児さん 写真を見る写真を見る ●さまざまな他者に出会いたい 「サブカル」なにおいがする装丁である。6色の紙に印刷され、アジア各都市でのスナップ写真が満載。サブカルチャーとは「メーン」への対抗であり、大衆芸術と高級芸術、周縁と中央、パキスタン・ラホールと米ニューヨーク…。美術の世界ではいまだ強いヒエラルキーのなかで、著者は徹底的に「周縁」の目の人である。 ネパールの近代美術やフィリピンの人気漫画家について語れば、ミャンマーの現代美術グループを紹介し、インドネシアのバンドンとジョグジャカルタでは美術家のカラーがどう違うかを解説する。2009年8月から3年半にわたった美術紙の連載記事に、書き