安倍首相が2013年末に靖国神社を参拝し、最悪の状態で始まった2014年の日中関係。しかし、11月に2年半ぶりとなる日中首脳会談が実現し、ようやく関係改善に向けて動き始めた。12月には日中の有識者らによる「新日中友好21世紀委員会」の正式会合が3年ぶりに開催され、李克強首相とも会談するなど要人との意見交換も増えている。 習近平国家主席は2014年12月13日、日中戦争中に多くの中国人が殺害されたとされる南京事件の追悼式典で演説。「日中両国民は代々友好を保ち、歴史を鑑(かがみ)として未来に向けてともに人類平和のために貢献しなければならない」と述べ、日本との関係に配慮を示した。姿勢変化の背景には、日本から中国への投資が減るなど関係の悪化が経済に影響を及ぼしていることもあるとみられる。ただ、習主席は「侵略戦争の歴史を顧みない言動」に警戒感と反対の姿勢を強調、日本側の歴史認識をけん制することも忘れ