サトウキビ畑が広がる台湾中部・雲林県。田舎道を行くと、コンクリートとレンガの簡素な住居に着いた。「アジアの歌姫」と呼ばれ、42歳で急逝した伝説的歌手テレサ・テン(トウ麗君)の生家だった。 家主の張素霞さん(83)はテレサが生まれた日のことを今でも覚えている。テレサの父が明け方、「ハサミを借りたい」と頼んできた。男手一人で妻の出産に臨むのは大変だろうと思い、産湯を沸かして見守った。テレサの父は自分で赤ちゃんを取り上げ、へその緒を切った。「あの子が有名な歌手になったのは、ずっと後に報道されるまで知らなかった。産声は普通の赤ん坊と同じだった」と振り返る。 テレサの父は国民党軍の兵士で、国共内戦に敗れて中国本土を逃れ、台湾に来た。雲林県の軍駐屯地で働いたが、一家の住む部屋は13平方メートル程度と手狭で、家具は寝台と食器棚があるのみ。地元で一般に使う台湾語が分からず、近所の住民と話すことは少なかった
【北京=牧野田亨】日本の研究者たちが1972年の日中国交正常化以降の40年の日中関係をまとめた「日中関係史」(東京大学出版会)の中国語版が28日、北京で発表された。 日本語版には中国政府が89年に民主化運動を武力鎮圧した天安門事件、尖閣諸島の帰属を扱った東シナ海問題があったが、目次の一部を残し除外した。中国の出版社は「翻訳の表現の問題で筆者と合意できなかった。合意すれば、今後の掲載は可能だ」と説明している。 「日中関係史」は政治、経済など4分野4冊で構成。日中交流に取り組む笹川平和財団の事業として、高原明生・東大教授らが分担執筆し、国交正常化40周年の2012年に出版した。 政治編の第8章で天安門事件が日中関係に与えた影響を分析。第15章では、中国が50年代に尖閣諸島を日本領土と認めていたことなどを記している。
市は13日、製造を委託した市内の業者が中国で製造した際に書かれたものとみて、業者に調査を指示した。 落書きが見つかったのは、同市美浜区打瀬の40歳代の男性会社員が区内のスーパーで購入した可燃ごみ用のごみ袋(容量20リットル、10枚入り)のうちの1枚。数枚を使った後、男性の妻が9日、ゴミを捨てようとして外袋から取り出して使った際に気付いた。中国語で「小日本」という言葉や卑わいな絵、言葉が青いボールペンとみられる線で書かれていた。 妻は「誰かが部屋に侵入しているのではないか」と考え、2人の子供とともに外に逃げて警察を呼ぶなどしたといい、男性は「家族が怖い思いをしたので、原因を調べて再発を防いでほしい」と話した。 製造した「アルフォーインターナショナル」(千葉市美浜区中瀬)によると、袋は中国の自社工場で製造しており、折りたたんで外袋に入れる作業の一部は、現地で外注している。 市から調査と再発防止
財務省の統計によると、日本の貿易相手国は2007年に中国が米国を逆転して首位となり、すっかり定着した。 13年の輸出入総額は30兆2800億円で日本の貿易総額の20・1%に上り、米国より7ポイントも高い。政治上の困難はあっても、経済や人的交流の面で日中関係は深まっている。 北京在住の日本人留学生、横山悠太さん(32)による今年の群像新人文学賞受賞作「吾輩ハ猫ニナル」は、この時代を象徴している。上海に住む<わたくし>が、「日本語を学ぶ中国人を読者に想定した小説」の執筆を思い立ち、書いた形を取る作品だ。 主人公は、日本人の父と中国人の母の間に生まれた「混血(ダブル)」の若者。5歳のとき日本から中国へ引っ越し、蘇州の大学へ進学が決まったばかりだ。彼が公園で「先生」と呼ぶ猫と出会い、それが機縁となるかのように日本へ一人旅し、秋葉原へ向かう顛末(てんまつ)を描く。 <日語という語言(げんご)は実に怪
「韓流テーマパーク」の計画見直しで、着工期限を過ぎても更地のままのフェスティバルゲート跡地(大阪市浪速区で、読売ヘリから)=原田拓未撮影 大阪市の土地信託事業で経営破綻した都市型遊園地「フェスティバルゲート」(大阪市浪速区)の跡地に韓流テーマパークの建設を予定していた大手パチンコチェーン「マルハン」(本社・京都市)が、日韓関係の悪化を理由に計画を見直していることがわかった。 跡地の売買契約を締結後、5年以内に建設に着手する取り決めだったが、今年3月の期限が過ぎた現在も着工されていない。このため、市は今年度内の施設完成を求める契約を新たに結ぶ方針だ。 7日の市幹部会議で新契約方針を決める。着工が無期限延長にならないようにするため、年度内に施設が完成しない場合、同社に違約金を要求することも検討している。 フェスティバルゲートは市電車庫跡に1997年開業したが、04年に経営破綻した。跡地は同社が
政治家、将軍、文豪、俳優…。世界の歴史に名を残す英雄たちの故郷をたずね、人々の記憶に今も残る偉人たちの物語を伝える。 中国の映画スターであり武術家のブルース・リーは幼少の頃から詠春拳の達人、葉問に武術を習った。葉問の記念館が、広東省広州に隣接する仏山にある。 輸出関連製造業の拠点である仏山には、柔道や空手の道場に似た「武館」が500以上あり、「武術の郷」としての顔も持つ。詠春拳は女性が考案したとされ、直立姿勢で拳や肘などを使うコンパクトな動作が特徴だ。日本ではあまり知られていないが、欧米など30か国以上に200万人以上の愛好者がいるという。 葉問は、詠春拳のグランドマスターと称される。身長1メートル65のきゃしゃな体つきではあったが、様々な力強いエピソードに彩られている。例えば、口論になった警官が拳銃を突きつけてきた時だ。葉問は慌てずに拳銃をつかみ、少し力を込めると弾倉が壊れた。敬服した警
現代中国を代表する作家の一人、閻連科さんが12月中旬、早稲田大でのシンポジウムなどに参加するため初来日した。河南省の農村に生まれ、自国の問題を告発するような作品もある社会派の文学者だ。中国文学の現状や緊迫する日中関係をどう見るかなどを聞いた。 ――日本の印象は? 非常に環境がよい。町並みや社会的設備に加え、北京と違って毎日、青い空が見える。参加した会議の懇親会で、居酒屋に行ったのも印象に残った。みんなで食べる分だけ頼み、ワリカンでお金を払うことが、とてもいいなと思いました。 ――中国文学の現状を教えてほしい。 中国の今の文学は多様で、豊富だ。個人的なことや歴史の問題、社会の現実を書く作家もいる。衛慧(えい・けい)の『上海ベイビー』など若い女性の作品が、日本など外国語に翻訳されて評判となったのは、表層の一部に過ぎない。日本から中国へ紹介される作家も、村上春樹さん、青山七恵さん、金原ひとみさん
日本テレビは新春、マレーシアのテレビ局との共同制作で、スペシャルドラマ「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件」を放送する。 前作の香港に続く海外展開で、マレー半島中央の密林でロケが行われた。同国で日本のドラマはどう受け止められているか。現地テレビ局の幹部に聞いた。 共同制作した「メディアプリマ」は、同国最大の複合メディア企業。地上波局4局、ラジオ局3局のほか、新聞社や屋外広告会社などを所有する。インタビューに応じたのは、日テレとの窓口になっている、グループシェアードサービスのCOO(最高執行責任者)、ダトック・カマル・カリド氏だ。 ――どのような日本番組が見られているか? 一番は「NARUTO―ナルト―疾風伝」や「ドラえもん」などのアニメ。特撮ヒーローものも人気だ。バラエティーでは「風雲!たけし城」など。ドラマは「おしん」ぐらいで、あとは記憶にない。 ――ドラマはなぜ人気がないのか? 日本食
中国をモデルにしたアニメや漫画、ゲームに登場するキャラクターのコスプレをして交流を楽しむ「中華コスプレ大会」が9日、鳥取県湯梨浜町の中国庭園「燕趙園」で始まった。 中国や韓国など海外を含む約250人が参加、自慢の衣装を披露した。10日まで。 同庭園がドラマ「西遊記」のロケ地になったことをきっかけに、2006年に景観を生かしたコスプレ大会がスタート。08年からはアジアを中心に海外のコスプレイヤーも加わるなどし注目度も上がり、15回目の今回は過去最多の参加者数となった。 人気アーケードゲーム「三国志大戦」のキャラクターにふんしたり、中国風のオリジナル衣装を身につけた参加者らは、思い思いの場所でポーズを決め、写真に納まっていた。 札幌市の会社員女性(29)は「衣装を作るのに2か月かかったので、良い写真を撮って帰りたい」と笑顔を見せ、見物に来た鳥取大2年生(20)は「衣装が細部まで作り込まれていて
ステージから教壇へ、そしてまたステージへ――。ドラムスの瞳みのるの半生は、あまりにもドラマチックだ。 1971年、タイガース解散。「僕たちはライブバンドだっていう誇りがあった」。が、周囲からは、アイドル扱いされることが多かった。「こんなところで、やりたいこともできないんじゃ、しょうがない」。ピーの愛称で親しまれた瞳は、仲間との連絡を一切絶った。 学業を再開、中国文学を専攻して大学院まで進み、やがて高校の漢文、中国語の教師になった。「子育てもあったし、自分たちの学校に合った教科書を作らなくちゃいけなかった。余裕がなかった」。自分の子供たちにもタイガースの一員だったことを明かさなかった。 変化が訪れたのは、解散から40年近くを経た2008年。すでに還暦を超え、今後の人生を考えていた。同年、テレビに出演した沢田研二たちは瞳に再会を呼びかける曲「ロング・グッバイ」を披露。元マネジャーは学校まで訪ね
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