今回の、ロシアによるウクライナ軍事侵攻において、どうしても私はシベリア抑留で無念な亡くなり方をした日本人について思いを馳せざるを得ません。もちろん、一連の戦争には大日本帝国の無謀な戦争犯罪が根底にあることは理解しつつも、他方で日露外交の文脈であまりにも軽視され続けてきたシベリア抑留の件について、かねて疑問を抱いてきました。 第2次世界大戦の終戦後、満州や樺太、千島列島などにいた旧日本軍捕虜や民間人らが投降し、武装解除されたあと、旧ソビエト連邦(ソ連)によって主にシベリアなどへ労働力として57万人あまりが連れ去られたこの事件では、34万人とも言われる日本人の命が失われたとされています。失われた命の数だけでなく、いまなお遺骨が戻らない状況には、冷戦を超えて歴史がもたらす惨劇として慄然とせざるを得ません。 「会談で抑留問題を取り上げたことは一度もない」 「ソ連とロシアは異なる国家だ」とか「日本も
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