政府の財政制度等審議会が「国立大学で多額の剰余金が生じ、約3000億円の積立金がある」と指摘したことについて、塩谷立文部科学相は12日の閣議後会見で「半分は会計処理上の形式的な利益で、現金が残るわけではない。大学運営は大変厳しく、剰余金ととらえられるのは心外だ」と批判した。 04年度の国立大学法人化以降、研究成果などに応じ配分する競争的資金が重視され、大学規模などに応じて配分される運営費交付金は削減が進んでいる。大学からは「このままでは経営破綻(はたん)する」などの声も上がっているが、財務省は3000億円を活用可能な「埋蔵金」と位置付けさらに削減を進める意向。「高等教育に予算を投じ、家計負担の割合を下げることが経済活性化につながる」と主張する文科省との対立が激化しそうだ。 財政審は3日にまとめた「10年度予算編成の基本的考え方」で「国立大が資金不足に陥っているとは言い難い」と指摘。しかし塩