「若い頃のように動かないから、粗食でいい」なんて考えていたら大変なことになる。今や65歳以上の約2割が、たんぱく質など体に必要な栄養素が足りない「低栄養」の状態にあるというのだ。筋肉や骨の衰えばかりか、認知機能の低下や死亡リスクにもつながる低栄養。どう防げばいいか。【宇田川恵】 外出増やし体を動かす/間食でたんぱく質補給/ダイエット志向転換を 「ある1人暮らしの高齢男性の自宅に栄養指導に訪ねたら、冷蔵庫には3玉の『ゆでうどん』と卵が1個。それで3日ぐらいもたせるという。めんどくさがって買い物にも行かず、食事にお金をかける必要はないと考えるお年寄りは少なくありません」。そう話すのは、高齢者の食事事情に詳しい駒沢女子大教授で、管理栄養士も務める田中弥生さんだ。 お年寄りは年齢が上がるにつれて、栄養状態が悪くなる傾向がある。田中さんによれば、食べることにだんだん興味を失うほか、便秘などのトラブル
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